『滋賀の魅力情報をお届けし、滋賀へ誘う。それが私たちの役割なんです。』

滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」

専門店

東京都中央区

良いものを運び、新鮮な情報を持ち帰る。「ここ滋賀」に重なる近江商人の精神。

 東京、日本橋。2017年から運営されている「滋賀県情報発信拠点 ここ滋賀」。一階のマーケットには滋賀県の逸品が所狭しと並んでいる。二階には近江牛を中心とした滋賀の味覚を堪能できるレストランも併設される人気のスポットだ。
 本日お話を伺うのは県職員の柴田さま。民間の会社に勤めていた過去、転勤で滋賀から離れ県の魅力を再発見した。そんな柴田さまに滋賀県の魅力と、OMNICITY®の活用について伺った。
ー 東京駅近辺には都道府県などのアンテナショップが数多くありますが、「ここ滋賀」の特長について教えてください。
 2022年10月29日に開館5周年を迎えることができました。多くの来館者さまや関わってくださっている全ての事業者さまのおかげと感謝しております。お越しいただくお客さまの傾向としては、観光中や都内在住・勤務の方に立ち寄っていただくことが多いですね。アンテナショップ巡りがお好きな方もおられます。「ここ滋賀」ファンになって定期的に来てくださる方がおられるのは嬉しいです。あとは滋賀にルーツを持つお客さまやご友人へのお土産をお求めに来られることも。
 
 ただ私たちはアンテナショップではなく「情報発信拠点」と名乗っています。滋賀の名産品を買ったり滋賀の食材を使った料理を食べていただくだけが目的ではなく、ワークショップや講演会・パネル展を行ったり、常駐するコンシェルジュに県内のさまざまな観光情報を尋ねてもらったり。また、試食や試飲販売を実施するなど、滋賀の魅力そのものを発信する拠点だと捉えています。
— なぜ日本橋を選ばれたんですか?
 「ここ滋賀」の出店エリアに関しては、かなりこだわりがありまして。滋賀県の拠点は「東京のどこか」ではなく「絶対に日本橋」という強い想いで開館に向けて出店地を探したと聞いております。

 キーワードは ”東海道” です。
— あー!なるほど!
 東海道をはじめとする五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)の起点である日本橋は、江戸時代より諸国の人々の往来でにぎわっていました。その一翼を担っていたのが、全国の産物を流通させていた滋賀県発祥の「近江商人」なんです。
 東海道を通って日本橋を訪れた近江商人たちは「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」の経営哲学でご商売をされ、成功を収めていきます。現在も東京をはじめ全国各地で活躍されておられる近江商人ルーツの企業が多数いらっしゃいます。
ー 近江商人という名前がでてきましたが、ずばり「ここ滋賀」のミッションとはなんでしょうか
 滋賀に住んでいるとなかなか気付けないんですけど、外からふと客観的に見てみると、良いものとか面白いことってたくさんあるんですよ。
 例えば近江のお茶。

 滋賀は古くから茶と関わりがあり、伝教大師最澄が中国の唐より持ち帰った茶種を比叡山の麓に播いたことが始まりと言われています。
ー ということは……。もしかして日本茶の発祥は?
 はい、滋賀なんです。

 他にも全国の皆さまに知っていただきたいものはたくさんあります。
 湖魚や近江米、近江牛、近江の地酒、銘菓、信楽焼などの伝統工芸品、ひこにゃんや飛び出し坊や等々、挙げだすとキリがないですね……
ー めちゃくちゃ面白いですね、滋賀。すでに行きたくなってきました。
 いろんな事業者さまが工夫を凝らし、すばらしい取り組みをしています。でもそれが東京でどんな風に反応されているかって、なかなか見えづらいんです。我々としても「これだけ売れました」というご報告だけではだめだと思っています。ちゃんと、お客さまの反応や声も一緒に戻してあげないといけない。
  たとえば滋賀県内には酒蔵さんが30蔵以上もあり、蔵ごとに個性があり面白いのですが、まだまだ全国各地で味わってもらえるわけではありません。だからどうしても県外の消費者の声が届きにくい。
 でも「ここ滋賀」なら。首都圏のお客さまへ直接届けて声を拾うことができる。
 可能な事業者さまには、実際に「ここ滋賀」に来てもらって、店頭に立っていただいています。ここで感じる生の声を販売促進や商品開発に繋げていただければと。交流の場として使っていただいて、ついでにマーケティングリサーチもできるというイメージでしょうか。
 ちなみに「赤こんにゃく」ってご存じですか?近江八幡市の名物でこんにゃくが三二酸化鉄という鉄分によって赤くなっているんですが、ご存知ない方から「辛いんですか?!」と聞かれることもしばしば。
 こういった消費者のお声もあって事業者さまが通常の赤こんにゃくに加えて、特産品の「弥平とうがらし」を使った辛い赤こんにゃくを商品開発され、「ここ滋賀」オリジナル商品として販売を開始しました。これが大ヒットしまして、いまは滋賀県内でも「ピリ辛赤こんにゃく」が販売されています。
ー 県への逆輸入まで!商品開発の理想形ですね。では、「ここ滋賀」のミッションを改めて教えてください。
 県内の良いところを知ってもらう。「ここ滋賀」で、滋賀を感じてもらう。そしておいしいものを食べたり、工芸品に触れたりして、「今度は是非とも滋賀に行ってみたい」と思っていただくことです。

 まだまだ十分にご紹介しきれていない地域情報がありますので、チャレンジングな事業者さまの取り組みと、滋賀ならではの魅力をバランスよくお伝えしていきたいと考えています。単純に売れるものをたくさん置けばショップとしての役割は果たせると思うんですけど、やはり「情報発信拠点」ですので。
 実際に「ここ滋賀」で興味をお持ちいただき、滋賀を旅行していただいた方から感謝のお手紙をいただくことがあります。やっていて良かったと思う瞬間ですね。
ー 「情報発信拠点」の狙い通りですね。せっかくなのでOMNICITY®についてもお聞きしたいと思います。
 やっぱり東京って滋賀と人の集まり方が違うんです。そういう違いにパッと気付けるツールとしてとてもいいですね。売り上げと来館者数は毎日追いかけているんですけど、時々感覚とズレることがあります。私も法被(はっぴ)を着て店頭に立つことがあるのですが、今日はたくさん来ていただけたな~!と思ってデータを振り返ったらアレ?って。逆に天気が悪いのにすごく人が来ていることもあって。
 やはり私たちは、滋賀県を代表して東京で運営していますので、感覚じゃなく数字データをもとにきちんと分析し、報告ができるのは助かります。
ー なるほど、業務の効率化にもつながっているということですね。
 データを上手く使いたいんですよ。数字に遊ばれるんじゃなく。状況を正しく知ることが大事だと思っています。今日、OMNICITY®の担当さんが持ってきてくれた人流の情報と、各イベントとの分析は、まさしく良い情報ですよね。(滋賀出身著名アーティストがイベント等を開催すると「ここ滋賀」への来場が増える。など)
 OMNICITY®はビーコンを使って、固定のファンの方それぞれに合わせた情報発信なんかもできると知って期待しています。
 今後は狙った人に狙った情報を届けるということが、ますます重要になると思っています。繰り返しになりますが、商品をただ売りたいのではなくて、欲しいであろう情報を、欲しい人に届けるということが我々の役割ですから。
ー 「おもてなし」のためのOMNICITY®活用ということですね。
 皆さまが確実に通る自動ドアを活用するツールですし、やれることも多くなるので色々試してみたいですね。また、こうやって県内の事業者さんと連携できていることは、私たちにとっても嬉しいことなんです。
 今後実績が積みあがってきたら、県内のほかのところでも「やってみたら?」と紹介できるんじゃないかと思っています。
ー 他の逸品たちと同じように、滋賀生まれの自動ドアセンサーを捉えていらっしゃると!
 我々が試して、滋賀に最新の情報を戻す。これからもそんな連携を続けていけたら良いですね。ちなみに自動ドアのボタンデザインは「ここ滋賀」のオリジナルだったんですね!いま初めて気付きました(笑)

 ここ滋賀は、滋賀の魅力を東京で伝える拠点であり、東京の情報を滋賀に持ち帰る拠点でもありました。あらゆる方向にメリットを生む考えは、まさに「三方よし」。現代に蘇る近江商人の役割です。新しいコミュニケーションの手法を編み出し、県下でも実施される日を期待しつつ、「信楽焼ガチャ」を2回。クマとネコのかわいい箸置きを、そっとポケットにしのばせ我が家へ帰ります。
ー インタビュー日:2022.10.7
  • 滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」
  • 〒103-0027 東京都中央区日本橋2-7-1
    1F共通:TEL:03-6281-9871
    2F 近江牛毛利志満 日本橋ここ滋賀:TEL:03-6281-9872
  •  滋賀の魅力の発信と滋賀への誘引の役割を担う情報発信拠点

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